●個人防護具と感染対策
血液や体液、損傷した皮膚、粘膜などの湿性生体物質には感染性の微生物が含まれている危険があります。そのため、湿性生体物質で汚染される危険のある場合は、あらかじめ個人防護具を着用し、防御することが大切です。また、咳やくしゃみなどで気道分泌物を発生させる可能性のある場合にも周囲に汚染を広げないよう個人防護具の着用が求められます。
個人防護具を適切に使用することで、湿性生体物質による汚染から医療従事者を守り、患者を守り、医療関連感染を減少させることにつながります。
●個人防護具の種類
医療施設で頻繁に使用される個人防護具には、手を覆う手袋、胴体部分を覆うエプロンやガウン、眼・鼻・口などの粘膜を守るためのマスクやフェースシールド、シールド付マスクなどがあります。個人防護具は湿性生体物質が透過しない防水性のものを選択し、作業に応じて使い分けます。
●個人防護具の着用例
個人防護具は、必要な場面で正しく使用しなければその役割を十分に発揮することができません。また、過剰な個人防護具の着用は費用や労力のムダになります。作業内容を考慮し、状況に応じて適切に使い分けることが大切です。
図. 処置別個人防護具着用(例)