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インフルエンザのABC これからの季節の感染対策を今から準備しましょう!
インフルエンザとは

インフルエンザはインフルエンザウイルスによる呼吸器感染症で、咽頭痛、鼻汁、咳など普通の風邪と同じような症状に加え、38℃以上の急な発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛など全身症状が現れるなどの特徴があります。一般的には1週間程度で快方に向かいますが、乳幼児、高齢者、基礎疾患をもつ人では、気管支炎、肺炎などを併発したり基礎疾患の悪化を招いたりするなどして、最悪の場合死に至ることもあります。
また、インフルエンザは季節性のインフルエンザの他に、鳥インフルエンザ新型インフルエンザがあります。

鳥インフルエンザは、インフルエンザウイルスが鳥類に感染して起こる鳥類の感染症です。鳥インフルエンザウイルスは、カモ類(水禽類)を自然宿主としており、ニワトリ・ウズラ・七面鳥(家禽類)に感染します。中でも、非常に病原性が高いものは高病原性鳥インフルエンザと呼ばれます。鳥インフルエンザはヒトに感染することは稀ですが、感染した家禽類の体液・排泄物に濃厚接触した場合などはヒトも感染する可能性があります。


新型インフルエンザは、新たにヒトからヒトに感染する能力をもった未知のウイルスを病原体とするインフルエンザで、ヒトは免疫を獲得していないため、感染が急速に広がり、人々や社会全体に重大な影響を与える恐れがあります。2009年に発生した新型インフルエンザ(A/H1N1)は2011年3月31日から季節性インフルエンザとして扱われていますが、新型インフルエンザ(A/H1N1)の経験を踏まえ新型インフルエンザ対策行動計画の見直しが継続されています。今後も鳥インフルエンザの遺伝子が変異してヒトからヒトへと感染する能力を持つ新型インフルエンザが出現し、将来、爆発的に感染すること(パンデミック)が懸念されています。

●インフルエンザの流行期間

インフルエンザは例年11月下旬から12月上旬頃に発生し始め、翌年の1~3月頃に流行し、4~5月にかけて減少していくパターンを示します。また、例年A型インフルエンザが先に流行し、その後B型インフルエンザが流行します。流行の程度とピーク時期はその年によって異なります。

国立感染症情報センターホームページより

●インフルエンザウイルスの型

インフルエンザウイルスは、抗原性の違いからA、B、Cの3種類があり、ヒトに感染するインフルエンザウイルスはA型とB型です。インフルエンザウイルスの表面には赤血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ(NA)という糖蛋白があります。B型インフルエンザウイルスはHAが1種類、NAが1種類のため組み合わせは1種類しかなく亜型(本来の型から派生して出てきた型・サブタイプ)はありませんが、A型インフルエンザウイルスはHAが15種類、NAが9種類あり、それらの組み合わせにより多くの種類の亜型が存在します。A型インフルエンザウイルスは従来と異なる亜型のウイルスが突然出現し、新型インフルエンザとして従来のインフルエンザウイルスにとって代るため、数年から数十年ごとに世界的な大流行がみられます。

●感染症法での取り扱い

インフルエンザ(高病原性鳥インフルエンザを除く)は5類感染症に位置づけられており、全国の定点(約3000ヵ所の小児科の病院または診療所)からインフルエンザの感染が報告されています。高病原性鳥インフルエンザは2類感染症に位置づけられており、全数報告の対象となっています。

●学校保健法での取り扱い

インフルエンザは、学校において予防すべき伝染病2種に定められており、通常は熱が下がって2日を経過するまで出席停止となります。ただし、病状により学校医やその他の医師が感染の恐れがないと認めたときはこの限りではありません。
感染経路
インフルエンザの感染経路は主に飛沫感染と接触感染です。
インフルエンザに感染した人の咳やくしゃみなどによって発生する飛沫が飛散し、比較的近距離にいる人がそれを吸い込むことにより感染します。飛沫は2メートル程度飛散するとされています。飛沫感染しないためにマスクを着用し、感染している人は周囲の人にうつさないために咳エチケットを守ることが大切です。
また、飛沫が付着した環境表面などに触れた手指を介して感染するため手指衛生を徹底することが重要です。

●咳エチケット

咳エチケットは、患者・医療従事者などで症状のある全ての人が呼吸器感染症を周囲の人にうつさないためのエチケットです。
医療施設内で咳エチケットに関するポスターを掲示するなどして、スタッフや患者の意識を高め、日頃から咳エチケットを実践してもらいましょう。

咳エチケットの具体策

  • 咳やくしゃみをするときは、ティッシュなどで口と鼻を覆い、周囲の人から顔をそむけましょう。
  • 咳やくしゃみをするときは、周囲の人から1m以上距離を置きましょう。
  • 使用済みのティッシュはすぐにゴミ箱に捨てましょう。
  • 咳やくしゃみを手で抑えた後や鼻水に触れた後は手指衛生を行いましょう。
  • 咳やくしゃみの症状があるときは、マスクを着用しましょう。

●マスクの正しい着脱手順

マスクは顔にフィットするものを選び、正しく着用して飛沫感染を防ぎましょう。
マスクを外す際は、ウイルスを含む飛沫などが付着している可能性があるのでマスクの表面に触れないように気をつけます。また、マスクを外した後は手指衛生を行うことが大切です。
医療施設における感染対策
標準予防策の実施
インフルエンザの感染が確定している場合や疑われる場合は飛沫感染予防策接触感染予防策を追加

表1 インフルエンザの感染予防策

飛沫感染予防策
  • インフルエンザの患者の入室先の制限
    (個室隔離、個室の数が限られる場合はインフルエンザの患者同士を同室にするなど(コホート)の配慮)
  • 鼻・口を飛沫から守るためサージカルマスクを着用する
接触感染予防策
  • インフルエンザの患者の入室先の制限
    (個室隔離、個室の数が限られる場合はインフルエンザの患者同士を同室にするなど(コホート)の配慮)
  • インフルエンザの患者や患者周囲の環境表面や物品に触れる際は手袋やガウンなどを着用する
  • インフルエンザ患者や患者周囲の環境表面や物品に触れた後は手指衛生を行う
  • 手指の高頻度接触面はこまめに清掃する
その他の予防策
  • ワクチン接種
  • うがい
  • 部屋の湿度を50~60%に保つ
  • 十分な栄養と休息

●インフルエンザに有効な消毒法

インフルエンザウイルスはエンベロープを持つウイルスのため、消毒薬は比較的効きやすく、高水準消毒薬、中水準消毒薬、熱水消毒が有効です。
環境整備や手指衛生などではエタノールなどの消毒薬が使いやすく、効果的です。

●インフルエンザの流行に備えましょう

インフルエンザの予防のために、マスクの着用や手指衛生をはじめとした感染対策を日頃から徹底しましょう。

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【参考】
1) 厚生労働省 インフルエンザ対策
2) 国立感染症情報センター
3) 矢野邦夫 他 訳・編. 改訂2版医療現場における隔離予防のためのCDCガイドライン. メディカ出版 2007.
4) 小林寬伊 編集. [新版]消毒と滅菌ガイドライン. へるす出版 2011.
5) 日本医師会 監修. 医療従事者のための新型インフルエンザ対策実践ガイド. 日本医師会/メジカルビュー社2009.
6)泉孝英 他 編. 医療者のためのインフルエンザの知識. 医学書院 2005.
手洗い シャボネットP-5など 手指消毒 ウィル・ステラVH、サニサーラEG、ヒビスコールSHなど 環境衛生用品 エタノールクロス、プロベストなど PPE 手袋・ガウンなど