季節のテーマ

2024.12.02

インフルエンザが流行シーズン入り

全国各地でインフルエンザの患者数が増えています。
厚生労働省の発表によると、1医療機関あたりの感染者数が流行開始の目安とされる「1人」を大きく上回り「1.88人」となっています。
流行期に入る時期は、いまの方法で統計を取り始めて以降、1年を通して流行した去年を除くと2009年に次いで2番目に早くなりました。

すべての年齢の方に注意が必要!

現在国内で流行している季節性インフルエンザのウイルスは、A(H1N1)亜型、A(H3N2)亜型とB型(ビクトリア系統)です。
流行しやすい年齢層は、ウイルスの型によって多少異なりますが、今年も全ての年齢の方がインフルエンザに注意する必要があります。

インフルエンザとは

・直径が1万分の1ミリ(100nm、1/10μm)の球形で、 エンベロープという脂質でできた膜をもつウイルス
・1個のウイルスが細胞に感染して増殖すると、8時間後に約100個、1日で100万個になるといわれている。
・インフルエンザウイルスは鼻と喉の間の粘膜で増殖すると言われている。
・ヒトに感染性を示すインフルエンザウイルスはA型、B型、C型の3種類

エンベロープウイルスと弱点

ウイルスはその構造からエンベロープのあるウイルス(エンベロープウイルス)と、エンベロープのないウイルス(ノンエンベロープウイルス)に分けられます。

エンベロープウイルスは、アルコール消毒剤によりダメージを受けやすいのに対し、ノンエンベロープウイルスは、アルコール消毒剤が一般的に効きにくい傾向にあります。

インフルエンザウイルスはエンベロープウイルスで、アルコール消毒剤が有効であることがわかります。

インフルエンザの特徴

感染経路 飛沫感染、接触感染
国内流行時期 例年12月~3月頃 ※1月下旬から2月が流行のピーク
潜伏期間 通常1~3日間
症状 発熱(通常38℃以上)、頭痛、関節痛、筋肉痛、喉の痛み、鼻汁、咳など
感染力がある期間 発症直前から発症後7日間程度
※発症直前から発症後3日間程度が感染力が特に強い

インフルエンザの予防方法

1.手指衛生

インフルエンザ感染対策の基本は「手洗い」です。
インフルエンザウイルスに感染する要因の多くは、手に付着したウイルスが物品に付着し、そこからまた手を介して鼻や口、目から体内に入ることです。
インフルエンザウイルスは手洗い石けん液やアルコール手指消毒剤を正しく使用することで、手に付着したウイルスを洗い流す、または不活化(感染力を失わせる)ことが容易とされています。

アルコール手指消毒剤のインフルエンザウイルスに対する不活化効果(%)
(作用時間15秒)

ウイルスに対するin vitro 試験は、ドイツの標準試験法であるDVV&RKIガイドラインに従って実施。
実使用を想定した条件(タンパク質負荷条件)においても、試験した全てのウイルスの感染価を4.0Log10以上(感染価の減少率:99.99%以上)減少。

※ドイツウイルス疾病管理協会(DVV)およびロベルト・コッホ研究所(RKI)による、医療におけるウイルスに対する化学消毒剤の試験に関するガイドライン

ウイルス タンパク質負荷 ウイルス感染価の減少率%
インフルエンザウイルスA(H1N1)型
Influenzavirus Type A(H1N1)
ATCC VR-1469
なし >99.99
あり >99.99

N.T Not testde. ※検出限界以下
(Test report on effectiveness of the hand disinfectant. Micromun GmbH., Greifswald (Germany) )

2.うがい

うがいは、繊毛運動のようなのど本来が持つ防御機能を高めるとともに、物理的な洗浄効果や、さらにうがい薬を使えば殺菌作用によって口腔やのどを清潔にします。その結果「口腔」を介する感染対策の抑制が期待できます。

3.マスク

咳やくしゃみの際に、病原体を含むしぶき(飛沫)を他のヒトにうつさないようにする対策です。たとえばインフルエンザにかかった人がくしゃみをすると、

  1. ウイルスを含む飛沫が
    放出され物品に付着→
  2. ウイルスで汚染された物品を
    他のヒトが手で触れる→
  3. その手で目や鼻をこする、
    または食事をする

以上のように、モノを介して伝播することも考えられます。
マスクを着用することで、飛沫が拡散することを抑えられるため、症状のある従業員には着用を徹底させます。