今年の冬も各地で冷え込みが強まり、空気の乾燥を感じる季節となりました。
気温の低下とともに湿度も下がるこの時期は、体が冷えやすく免疫力が低下しやすいため、ウイルスが活発に動きやすい環境になります。
その結果、さまざまな感染症にかかりやすくなるのです。
2025.11.06
冬の寒さと乾燥の季節、感染症にご注意を
なぜ冬は流行しやすいの?
冬は気温が下がり、空気が乾燥してウイルスが広がりやすくなる季節です。乾いた空気の中ではウイルスが長く漂いやすく、私たちの喉や鼻の粘膜も乾燥して防御機能が低下してしまいます。さらに、体の冷えによって免疫力も下がり、感染しやすい状態になります。こうした条件が重なることで、冬は感染症が流行しやすい時期といわれています。
冬に感染症が増えるしくみ
冬に流行しやすい主な感染症

インフルエンザ
特徴:毎年流行するA型・B型・C型があり、冬に流行のピークを迎える
主な症状:発熱・頭痛・咳・喉の痛み・全身の倦怠感

ノロウイルス感染症
特徴:冬に多発する感染性胃腸炎の原因ウイルス。少量でも感染力が強い
主な症状:吐き気・嘔吐・下痢・腹痛・発熱

RSウイルス感染症
特徴:乳幼児を中心に流行する呼吸器感染症。重症化すると気管支炎や肺炎を起こすことも
主な症状:発熱・鼻水・咳・呼吸困難
予防・対策のポイント
感染症を防ぐためには、日々の生活の中でできる基本的な対策を続けることが大切です。
手洗い、手指消毒、うがい、咳エチケット、換気など、どれも特別なことではありませんが、こうした小さな習慣の積み重ねが、大きな予防効果につながります。
1.手洗い・手指消毒をこまめに
しっかりと石けん液を泡立てること。泡立てることで、手全体や手のしわなどに石けん液がいきわたります。
正しく手洗いするためには30秒かかります。30秒の手洗いを身につけるために、砂時計やタイマーを置いて実施してみる方法もあります。30秒の手洗いを実感してみてください。
2.アルコール手指消毒剤の活用
アルコールは手に付着した病原微生物を短時間で確実に減少させることができ、手洗い設備が不要でどこでも容易に手指消毒が実施できます。また保湿剤等の配合により手荒れの問題も改善されている等の理由から、実践的な感染対策としてアルコール手指消毒剤による手指消毒が高く評価※されています。石けんと流水が使用できないときや、目に見える汚れがない場合等は、アルコール手指消毒剤を効果的に活用しましょう。
※CDC(アメリカ疾病予防管理センター)医療現場における手指衛生のためのガイドライン
3.うがいと感染対策

うがい薬によるうがいと水によるうがいの2グループで風邪対策における有効性について試験しました。結果、うがい薬によるうがいの方が、水によるうがいよりも感染対策に有効であることが立証されました。
4.咳エチケットとマスクの活用
咳エチケットは、かぜやインフルエンザのように、咳やくしゃみなどの呼吸器症状を伴う疾患を他の人にうつさないようにするための対策です。呼吸器感染症の拡大を防止するため、一人ひとりが咳エチケットを実践することが非常に重要です。
マスクがないときはティッシュなどで口と鼻を覆い他の人から顔をそむける
ティッシュなどが使えないときは手で押さえず、袖で口や鼻を覆う
5.室内の環境を整える
冬は暖房により空気が乾燥しやすく、湿度が下がるとウイルスが長く空気中に漂いやすくなります。
加湿器などを活用して室内の湿度を40~60%に保つことで、喉や鼻の粘膜を守り、感染しにくい環境を整えられます。また、1~2時間に一度は窓を開けて換気を行い、新鮮な空気を取り入れることも大切です。
寒さと乾燥が続く季節こそ、基本的な対策を意識して続けましょう。無理のない範囲でできることから実践し、日々の習慣で感染症を予防していきましょう。














