マレーシア館の外観は伝統的なマレー式家屋の屋根の形状をモチーフにしつつ、近代的なガラスや金属素材を用いています。
自然環境との共生を重視した設計で、木漏れ日や風の通り道を計算し、来訪者の快適性も考慮されています。
館内は開放的で、来場者が自由に歩き回りながら展示に触れられるよう工夫されています。
複数民族の交流や共生を「まるで市場の賑わい」のように演出し、人々のつながりの一端を象徴的に表現しています。
館内に入るとまず目にするのは、マレーシアの豊かな食文化を多様な民族の融合の象徴として紹介する展示です。
タッチポイントが用意された体験ゾーンでは、ナシレマ(ココナツミルク炊き込みご飯)やラクサ(スパイシーヌードル)など代表的な料理の映像展示や調理過程の紹介が充実しています。さらに、香りやスパイスに触れて学習できるバーチャル体験シミュレーションも設置。
五感を使い、単なる視覚的展示を超えて、その土地の文化を体感できる工夫がなされています。
現在のマレーシアが直面する環境課題も率直に展示しています。
熱帯雨林の保全、多様な生物種群の保護、持続可能な農業の推進といった未来を見据えた取り組みを紹介。
一方で、森林伐採や気候変動への対策も現実的な課題として提示。万博訪問者にも環境問題への意識喚起を促しています。
館内の一部スペースでは高効率エネルギー技術やエコデザイン製品も展示され、科学的アプローチと伝統文化の融合により、“新たな共生”のビジョンが描かれます。