●ノロウイルス感染の集団発生
ノロウイルス感染は1年を通して発生が見られますが、例年冬期に流行のピークを迎える傾向があります。国立感染症研究所 IDWR(感染症発生動向調査 週報)2016年第34週 感染性胃腸炎
●ノロウイルスの特定の難しさ
ノロウイルスは培養細胞及び実験動物で増やすことができないことから、ウイルスを分離して特定することが困難です。特に食品中に含まれるウイルスを検出することが難しく、食中毒の原因究明や感染経路の特定を難しいものとしています。●感染症法での取り扱い
5類感染症に位置づけられた「感染性胃腸炎」の一部として、全国の定点(約3000ヵ所の小児科の病院または診療所)からノロウイルスの感染が報告されています。●海外におけるノロウイルス感染
ノロウイルスは世界中に広く分布しているとされ、アメリカ、イギリス、ニュージーランド、オーストラリア、フランス、スペイン、オランダ、アイルランド、スイスなどでヒトへのノロウイルスの感染が報告されています。●経路Ⅰ:汚染された牡蠣等の二枚貝からの感染
ノロウイルスを含むふん便・嘔吐物が下水を通して河川や海へ排出され、牡蠣等の二枚貝にウイルスが蓄積される。その汚染された牡蠣等の二枚貝を生あるいは加熱不十分で食べることによる感染。●経路Ⅱ:食品取扱者からの伝播
ノロウイルスに感染した食品取扱者(食品製造に関わる者、調理従事者等)が手指衛生が不十分なまま調理をすることによって食品が汚染される。その汚染された食品を食べることによる感染。●経路Ⅲ:ふん便や嘔吐からの伝播
ノロウイルスが大量に含まれるふん便や嘔吐物の処理の際に手指に付着したウイルスによる二次感染。あるいは、不適切な処理により残ったふん便や嘔吐物が乾燥して空中に舞い、ヒトに感染。表 ノロウイルスの消毒例
消毒対象 | 消毒方法 |
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手指 |
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汚染器材 |
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吐物や便で汚染された 環境表面 |
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ベッドパン(便器) |
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床頭台、 オーバーテーブル |
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洋式トイレの便座、 フラッシュバルブ、 水道ノブ、ドアノブ |
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リネン |
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食器 |
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その他 |
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